メインテナンス

定期メインテナンスが必要な理由

むし歯・歯周病は「健康」と「病気」の境目が引きにくい病気です

風邪であれば、急な発熱や咳などにより「病気にかかった」と健康との境目を明確に意識することができますが、虫歯や歯周病はそうではありません。これらは慢性感染症なため、「健康」と「病気」の境目が引きにくい病気です。今、口腔内が健康な状態にあるように思えても、それはかろうじて「健康」と「病気」のバランスが保たれているだけで、すでに病的状態になってしまっているかもしれません。そしてそのバランスは、常に「健康」と「病気」の間で揺れ動いています。ストレスが溜まって免疫力が落ちた時などには、「病気」の方に傾いて歯周病が進行してしまうこともありますし、そうして「病気」の方に傾いても、体力を取り戻すなどして「健康」の方にバランスが戻ることもあります。
このように、むし歯や歯周病は「ここからが病気」と境目が引きにくく、ご本人が気づかないうちに「健康」と「病気」のバランスが崩れて、その状態が長期間続いた時に初めて、痛みなどの症状が現れてきます。なので、歯科クリニックで定期メインテナンスを受けて、常にバランスが崩れていないかチェックする必要があるのです。

むし歯・歯周病の原因菌とは一生付き合い続けなければいけません

むし歯や歯周病は細菌感染が大きな要因となって発症しますが、これらの原因菌は、コレラ菌のように外部から体内に侵入してきた菌ではなく、常に口腔内に存在する「常在菌」であるため、日和見感染的な側面を持ちます。常に口腔内に存在しますが、体調が崩れたり、生活習慣が乱れたりすると、原因菌が増殖して悪影響をおよぼすことがあります。しかし、人間と共生するそれら原因菌を完全に駆逐することは困難です。それらと一生付き合い続けて、悪影響をおよばせないようにバランスを保ち続けなければいけません。だからこそ、定期的かつ継続的なメインテナンスが必要となるのです。

一度削ったり抜いたりした歯は、二度と元に戻りません

むし歯の治療などで削ったり、抜いたりした歯は、その後どんな治療を施しても完全に元の状態に戻ることはありません。詰め物や被せ物を入れたとしても、あくまで人工物を使って形を整えただけで、体を元の状態に戻したわけではないのです。極端な話、風邪や骨折などの病気・怪我であれば、治療により元の状態に戻すことも可能ですが、歯の病気はそうはいきません。たとえそれが小さな孔であったとしても、元の状態に戻すことはできません。このように、歯の病気は不可逆的な変化をおよぼすからこそ、定期メインテナンスによる健康管理が必要となるのです。

QOLを低下させないために

若い頃であれば、少しくらい「健康」と「病気」のバランスが崩れても、口腔内に致命的な悪影響がおよぶことはあまりないのですが、加齢とともに「少し悪くなった」「少し良くなった」を繰り返していくうちに、だんだんと口腔内の状態が悪くなっていき、最終的には入れ歯を入れなければいけなくなることがあります。その時になって初めて、人前で思いっきり笑えなくなる、食事が美味しく味わえなくなるなどのQOL(Quality of Life:生活の質)の低下を引き起こすようになります。特に高齢の方にとっては、食べることが生活の楽しみの多くを占めるかと思いますので、こうしたQOLの低下を招かないように、口腔内の状態を適切に管理して、健康を守ることが重要となります。

当クリニックの定期メインテナンスの特徴

患者様お一人おひとりに適切なメインテナンスを提供します

むし歯や歯周病は感染症の一種ですが、急性ではなく慢性感染症です。しかも、日和見感染症的な側面を持ちます。そのため、歯に孔が開いていなくても「健康」であるとは限りません。今は症状が現れていないだけで、「健康」と「病気」のバランスが崩れ始めている場合もあります。そういう意味では、全員がむし歯・歯周病の原因菌の健康保菌者であると言えます。
そうしたことを踏まえて当クリニックでは、すでに痛みなどの症状が現れている方、まだそうした症状が現れていない方、それぞれに応じた適切なメインテナンスを提供します。むし歯や歯周病の原因菌とは一生付き合い続けなければいけないからこそ、患者様お一人おひとりに「上手な付き合い方」を提案させて頂きます。

きちんと「結果」をお見せしてモチベーションを高めます

定期メインテナンスで患者様の口腔内の健康を維持するためには、口腔内撮影やレントゲン画像などの「記録」が欠かせません。記録があって初めて、過去の状態と比較して定期メインテナンスの結果が評価できるようになりますし、その結果を患者様にお見せすることで、定期メインテナンスのモチベーションが高められるようにもなります。歯周病にかかっている方に、定期メインテナンスによって良好になった顎の骨の状態をお見せすることは、やる気の向上に繋がります。反対に、他院で定期メインテナンスを中断された方の多くは、こうした結果を見せてもらっていなかったのではないかと思います。
当クリニックでは、初診時には必ず患者様の口腔内写真を撮影して、それをご覧頂きながら、今、口腔内がどんな状態なのか、どんな病気リスクが考えられるのか、それを防ぐためにどんな治療を行うべきなのかなどを、詳しくご説明しています。また、初診時以外でも、治療前・治療後に口腔内撮影を行ったり、要所要所でレントゲン検査を行ったりして、定期メインテナンスの成果をご確認頂いています。これら「患者様の口腔内の記録」はすべて、プリントアウトしてお渡ししています。定期メインテナンスの結果をご自宅でもご確認頂ける形でお渡しして、次のメインテナンスのモチベーションに繋げるようにしています。

担当の歯科衛生士が口腔内の細かな変化もすぐに察知します

当クリニックは担当歯科衛生士制ですので、1人の患者様に対して、同じ歯科衛生士が口腔内の健康管理をサポートします。同じ歯科衛生士が担当することで、口腔内の細かな変化も早期に察知することが可能となります。また、患者様の治療履歴を正確に把握することができるので、より適切にサポートが行えるようになります。

歯科衛生士の役目は「クリーニング」だけではありません

歯科衛生士の役目は、歯垢(プラーク)を染色して、磨き残しをクリーニングすることだけではありません。担当する患者様とコミュニケーションをはかり、何気ない会話の中からより良いサポートや治療に有効な情報を引き出すことも、重要な役目です。「最近、少し体の調子が悪い」「内科でもらっている薬の量が増えた」など、患者様との会話の中にはサポート・治療に有効な情報はたくさんあります。それらを収集して、その背景にある患者様のお体の状態を想像してサポートを行うこと、歯科衛生士にはそうしたスキルも求められます。当クリニックの歯科衛生士は常にこうしたことを意識しながら、患者様のサポートにあたっています。

口腔内の状態に応じて定期メインテナンスの期間をお伝えしています

当クリニックでは、口腔内の状態が良好な方には4~6ヶ月に1回程度、そうでない方には2~3ヶ月に1回程度など、患者様お一人おひとりの状態に応じて定期メインテナンスの期間をお伝えしています。また、口腔内の状態が良くない方でも、その後のメインテナンスにより良好となった場合には、期間を伸ばしてお伝えするなど、状況に応じて柔軟に変化させることで、患者様の負担の軽減に努めています。
当クリニックには、20年以上定期メインテナンスに通い続けている方や、口腔内の状態が良好でも、「メインテナンスを受けた方が安心だし、口の中が気持ちいい」とおっしゃって、1ヶ月に1回通われている方もいます。患者様の口腔内の状態だけでなく、患者様の歯に対する意識、ご希望によっても定期メイテナンスの期間は様々ですが、いずれにしても、かけがえのない天然歯を病気から守るために、定期的・継続的にお越し頂ければと思います。

同じ歯科クリニックで定期メインテナンスを受けることが大切です

定期メインテナンスは、ただ受ければいいというものではありません。同じ歯科クリニックで、同じドクターにチェックしてもらうことで、より効果的に口腔内の健康状態が維持できるようになります。時間の経過に合わせて同じドクターのチェックを受けることで、口腔内の細かな変化を早期に発見したり、発病を未然に防いだりすることが可能となります。定期的かつ継続的に診続けることで初めてわかること、できることはたくさんあります。なので、できるだけ同じ歯科クリニックで定期メインテナンスを受けられることをおすすめします。

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